環境全般

Q1.
PRTRはどのような仕組みになっているのですか? 具体的にどのように対処したらよいですか?
A1.

PRTRとは、Pollutant Release and Transfer Register(環境汚染物質排出移動登録)のことで、工場や事業所(事業者)が取り扱う化学物質(平成12年4月末現在で国内関連法規、および発ガン性・暴露有害性の程度から危険性が高いと判断された354物質が対象)を「環境へどれくらい排出したか」、また「廃棄物としてどれくらい処理(委託量を含む)したか」を把握し、その結果を関係官庁に報告し、関係官庁がなんらかの形で公表する制度をいいます。

事業者からの報告によって得られた情報で、人の健康や生態系に対して害を及ぼす可能性のある多数の化学物質が何処でどのように排出されているか、また廃棄物がどこで、どれほど出されているか、という情報を関係官庁・事業者・市民が様々に活用することにより、化学物質の環境への排出を減らし、環境への悪影響を低減していくことができる。

このように、PRTRは化学物質による環境への悪影響を自主的な管理により低減を促すとも言えるものです。

<対象物質>

  1. 人の健康を損なう恐れに関する項目:吸入慢性毒性、経口慢性毒性、発ガン性変異性など。
  2. 動植物の生態もしくは生育に支障を及ぼす恐れに関する項目(水性生物に対する生態毒性)
  3. オゾン層を破壊する物質。

<対象事業所>

  • 従業員数(常用雇用者)21人以上の事業者
    ※ 東京都は公害防止条例を改定して20人以下の小規模事業所であっても、塗料工場、塗装工場などについては報告義務を課す予定。
  • 物質1トン/年以上の取扱量の事業所
    ※ただし、発ガンクラスが1の物質については、0.5トン/年以上

<対象製品>

第一種指定化学物質を1%以上含む製品(発ガンクラスが1の物質については0.1%以上含む製品)

<対象除外物質>

  1. 容器などに密閉包装された状態で流通し、販売、提供される製品。
  2. 冷凍機・コンデンサーなど密閉された状態のままで使用される形態の製品。
  3. タンク、組立部品、フィルム板など取扱いの過程で溶解、蒸発しない製品。
  4. 売却され再生される製品

<PRTR調査提出先など>

  • 報告対象: 環境媒体(大気・水域・土壌など)
  • 報告者: 製品製造事業所・製品使用事業所・廃棄物処理事業所
  • 報告単位: 事業所単位
  • 報告先: 都道府県
  • 報告方法: 各事業所ごとに対象物質単位でまとめる

<報告内容>

  1. 取扱量
  2. 排出量:大気 :水域(公共水域、下水道) :土壌 :廃棄物としての移動量
  3. 自ら行う廃棄物の管理埋め立て処分量
  4. リサイクルのための廃棄物移動量

<PRTR報告モデル>

<MSDS>

MSDSとは、Material Safety Data Sheet(化学物質安全データシート)のことで、PRTR法の制定に伴い供給者から取扱者へ提供される化学製品の危険・有害性情報のこと。PRTR法で報告記載する化学物質の取扱量、排出量の計算根拠となる当該化学製品の性状、および取り扱いに関する情報のデータシートで化学物質管理促進法により供給者からの提供が義務づけられている。

(回答会社: オーウェル株式会社)

Q2.
排水処理装置、および排気処理装置の方法、特徴、および選択のための検討事項を教えてください。
A2.

排水処理装置と排気処理装置と分けて述べます。

(1)排水処理装置

(1)-1.排水処理方法選定時の注意事項

処理方法を決定するためには、汚水の水質分析を行って、有機/無機汚濁の判別をし、 処理方法を決定することが重要である。塗装設備からの排水は、複雑な組成を持っており、処理方法も、物理・化学的処理方法と生物化学的処理方法との併用処理が有効である。処理方式の選定にあたっては、下記のバランスを考慮して検討のこと。

  1. 要求通り(規制値をクリヤーなど)の安定した水質が得られること。
  2. 動力、薬品の使用量が少なく、省エネ、経済的であること。
  3. 運転管理が容易で悪臭/騒音がないこと。
  4. 設置スペースが小さく、建設コストが少ないこと。

(1)-2.塗装設備排水の処理 塗装設備からは、下記が排水される。

(1)-2-1.前処理装置 脱脂/化成処理水
  1. 脱脂工程排水
    脱脂水洗水は油分およびCODが主体である。水洗水の処理方法としてはアルミニューム塩、または鉄塩による化学処理法が使用される。
  2. 化成工程排水
    化成工程の排水処理は、皮膜処理剤の亜鉛、鉄、および脱脂工程から持ち込まれた油分、界面活性剤が対象となる。水洗水の処理方法は塩化第二鉄などによる凝集処理が使用される。
(1)-2-2.電着装置 水洗水

水洗水には塗料に含まれている樹脂、顔料、アミン、溶剤などが含まれている。水洗水の 処理には凝集沈殿法と活性汚泥法が使用される。

(1)-2-3.ブース循環水排水

ブース循環水は、塗料スラッジを連続取り出ししないと樹脂分が可溶化してBODが上昇する。よって可溶化する前に塗料スラッジを取り出す必要がある。排水処理が可能な水質はBODが600ppm以下、CODが150ppm以下である。塗料スラッジの回収方法には大別して浮上式と分散式があり、次にその比較を示す。

システム 浮上式 分散式
概要

薬品効果により、スラッジを浮上、濃縮させる。濃縮した上水を浮上回収装置で再浮上させ、水とスラッジに分離し、掻き取り装置で回収する。

循環水の一部をブローダウンする。

オーバースプレーペイントを循環水中に分散させ、循環水中のSS濃度を高い状態に保ち、直接遠心分離脱水機に通してスラッジの分離回収を行う。脱水機からの水の一部をブローダウンする。

含水率 60~80%で若干の粘着性がある。 30~40%で粘着性は少ない。
SS濃度 ~500ppm ~3,000ppm
薬品投入量 対塗料3~10% 対塗料10~20%
滞留時間 5 min 2 min
<注>
  1. 回収方法の決定には、塗料スラッジと薬品のマッチングテストが不可欠である。
  2. 上記スラッジ回収装置SS濃度を下げられたブローダウン水は中和槽を経て、加圧浮上により処理される。

(2)排気処理装置

(2)-1.乾燥炉の排気処理

塗装用乾燥炉では塗膜をベーキングするため、乾燥工程において塗膜中の溶剤、および樹脂分 が分解してタール分となり、塗膜品質に悪影響を与えるとともに、その排気中のヒュームは悪臭を放ち公害となる。この脱臭処理は750℃以上で、0.5~0.7秒間の反応時間で、タール分を分解 して炭酸ガスと水分にする。

(2)-1-1.乾燥炉の排気処理方式と特徴

従来は直燃方式、触媒方式が採用されてきたが、直燃方式は排気損失が大きいことや、触媒方式は触媒毒による劣化という欠点があり、最近では熱回収率が高く、脱臭効果の高いRTOが採用されてきている。直燃方式ではその排気温度は炉内温度よりも約50℃高いが、RTOでは炉内温度よりも約50℃低くなる。その差はオーブン全体のエネルギー消費量の約15%に相当し、その削減効果は大きい。

従来設備では、生産量が減少しても給排気風量は一定としていたので、生産量が低下した場合の製品1個当たりのエネルギー消費量が増大した。直燃方式はブロワーレスバーナーを採用しており、排気処理風量の増減には限界があったが、RTOは広い範囲で排気処理風量の増減が可能であり、これもRTOの長所の一つになっている。

次に乾燥炉排気処理方式の比較を示す。

- 触媒方式 直燃方式 RTO
処理温度(℃) 350 750 800
実状HC処理効率(%) 90~95 90~95 98以上
自己熱回収効率(%) 50 30~40 90以上
2次熱回収後排気温度(℃)
(炉内温度との比較)
0 +50 -50
エネルギー消費量(2次熱回収) 1.0とする 1.5以上 0.9
処理風量の可変性(省エネ対策)(%) 100~30 100~70 100~30
NOx 1.0とする 3.0以上 0.5~0.7
その他の特徴

・触媒毒による劣化問題

・定期的な触媒交換

高温部の亀裂損傷問題 -

(2)-2.ブースの排気処理

従来、日本の塗装工場は大した法規制もないままに運営されてきた。その間、欧米では厳し いVOC規制のもと、ハイソリッド塗料、水性塗料、粉体塗料など新しい環境対応塗料が開発されてきた。また、日本で開発されたカーボンフィルター装置も欧米で多く利用されてきた。排気VOCの算出は、製品処理面積(電着面積)当たりのVOC排出量(g/m2)が一般的である。現状はヨーロッパの30~40g/m2,のVOC排気量となっている。

(2)-2-1.カーボンフィルター

新工場建設時には、新塗料対応設備も可能であるが、旧設備ではカーボンフィルターなどで 排出VOCを低減する必要がある。カーボンフィルターは繊維状活性炭をパルプ加工してハニカム状態に加工したものである。

(2)-2-2.ブース排気の臭気問題とその対策

ブース排気の臭気には、溶剤臭と腐敗臭(洗浄器からの飛散水中の臭い成分)とがある。腐敗臭は、ブース循環水中で発生したバクテリアにより作り出された、酪酸、吉草酸などの臭いである。この腐敗臭を防止する対策には次の方法がある。

  1. 循環水からの塗料スラッジの早期取り出し
    溶剤を含む塗料スラッジが、分離槽および洗浄器内に滞留することでバクテリアの発生要因になるので、早い時点でスラッジ経路外へ取り出す必要がある。
  2. 循環水の水質管理 ブース
    循環水にNaOHを投入して、PHを8付近まであげることにより、酪酸などを不揮発化し、臭いを減少させる。
(2)-2-3.ブース排気の粉塵公害とその対策

ブース排気には、洗浄器をくぐった後もオーバースプレーペイントの1~2%が含まれており、その濃度は補正ゾーンでは0.5mg/m3以下であるが、塗料使用量の多い自動機ゾーンでは 通常2~3mg/m3、多いブースでは10~15mg/m3となることもある。これら排気中の粉塵は、直接的には駐車場の車に降りかかるとか、周辺民家の洗濯物に付着するなどの粉塵公害となる。

また、間接的には、VOC対策としてのカーボンフィルター処理時に、それらの前処理である フィルターによる粉塵除去費が大きくなり、それらの実現を難しくする要因となる。次にこれらの排気粉塵を低減させる対策について述べる。

  1. オーバースプレーペイントの低減
    塗装方法、塗装機、ガンのより最適な選定によりオーバースプレーを最小限にする。
  2. 洗浄器の洗浄効率の改善
    洗浄効率は、塗料の種類と洗浄器圧損によって決まる。日常管理としては、洗浄器での水切れを起こさないようにすることが大事である。洗浄器入口において1/3が水切れを起こすと、排気粉塵濃度は2倍になる。また、排気粉塵量を低下させるには、洗浄器後の水切りエリミネーションの性能も重要である。
  3. 排気フィルターによる粉塵補集
    洗浄器出口の排気粉塵の粒径は平均で約2μmと小さいが、排気ファンのローターに付着して大きく成長した後、遠心力で引きちぎられて再飛散し粉塵公害となる。これらは粒径が大きいため、粗塵フィルターで補集可能であり、排気ファンの吐出側、または最終排出口にフィルターを設置する事で対応している。

(回答会社: 株式会社 大氣社)

Q3.
塗装ラインの環境対策はどこに相談したらよいですか?
A3.

当工業会発行の「新しい塗装実務ハンドブック」の「環境対策装置」の参考資料に、「全国都道府県別環境行政相談先」および「社団法人 全国産業廃棄物連合会正会員名簿」がありますので、そちらにご相談願います。

(回答会社: 旭サナック株式会社)

Q4.
塗装の環境対策装置には、排気処理、排水処理の他にどのようなものがありますか?
A4.

1. 騒音対策

  1. ブース空調器の外気取り入れギャラリー側からの給気ファンの透過音で近隣の民家から苦情が出るケースがある。ギャラリー前に防音壁を設置したり、外気取り入れ口方向を下部吸込みにするなどして、騒音を防止する。ブース内作業者への騒音対策としては、ファン吐出側に消音器を設ける。
  2. ブース循環水のブース環水路からの落下音 防音壁を設置したり、落下方向を変更して減音する。
  3. コンベヤーチェーンの通過音 塗装工場内作業者にとって規則的なコンベヤーチェーンの通過音は気になるものである。チェーンレスのフリクションコンベヤーはチェーンに通過音がなく静かである。

2. 省エネルギー対策

電力、冷熱源を削減するすべての省エネルギー対策は、CO2の削減に通じ地球環境対策となる。

(回答会社: 株式会社 大氣社)

Q5.
塗装工場の省エネのためのポイントを教えてください。
A5.

塗装工場の全使用エネルギーの内ブースで使用されるエネルギーはその約60%を占めますので、ブースの省エネ対策から取り組むとその効果は大きくなります。以下、装置ごとの対策ポイントを示します。

(1)塗装ブース

  1. 塗装ブース
    • 塗装方法改善(無人化、ベル化など)による工程短縮、および排気風量削減
    • 排気ファンのインバーター化、低圧損型の洗浄器の採用
  2. 空調器
    • 排気リサイクル、熱源変更(蒸気→ガス直火)、廃熱利用、空調条件の緩和

(2)乾燥炉

  1. 搬送装置:
    台車、治具の軽量化、コンベヤーの軽量化
  2. バーナー:
    燃料種類の変更(オイル→LPG→LNG)、省エネバーナーの採用
    低温焼付けタイプ塗料の採用、生産工程に合わせた温度制御
  3. 排気処理装置:
    直燃方式→畜熱式(RTO)への変更、排気ファンのインバーター化
  4. 冷却装置:
    給排気ファンのインバーター化

(3)前処理装置

  1. 処理温度:
    低温タイプ薬品採用
  2. 本体構造:
    開口部排気損失削減のための開口部のミニマム化

(4)電着装置

  1. 塗料循環ポンプ:
    インバーター化によるライン停止中の間欠運転

(回答会社: 株式会社 大氣社)

Q6.
活性炭式の脱臭装置を設置する場合の注意点と、設置場所が屋内の場合、消防法との関係を教えてください。
A6.

注意点

  1. シクロヘキサノン、ヘビーケトン類は触媒作用により発火の危険性が大きく、着火事故防止のために停止後に窒素封入や水封入などの工夫が必要です。
  2. 活性炭は導電体であり、金属との接触点では電食による腐食が生じやすいです。
  3. 相対湿度60%RH以下を保つようにします(吸着性能が極端に低下するため)。

消防法との関係

  1. 防火区画で使用する場合は防火ダンパ、逆火防止器の設置が必要です。
  2. 活性炭の重量が10000kg以上ある場合、指定可燃物に該当しますので市町村の条例を確認する必要があります。

(回答会社: 株式会社 桂精機製作所)

VOC対策

Q7.
現在溶剤型塗料での吹付け塗装を行なっていますが、VOC低減方法はどの様な手段がありますか?
A7.
  1. 塗料的には希釈溶剤の希釈量を減少させる事が必要です。この場合は塗料粘度が高くなり固形分が多くなるなど塗料組成が変化してしまうので、単純に希釈割合を低減し塗装可能になるとは限りません。使用している塗装機の能力範囲を考慮してください。
  2. 塗料の変更が可能であれば、水性化や粉体化があります。トルエン・キシレンを削減するのであればノントル・ノンキシ塗料への変更となります。塗料変更の場合は、塗装システムの変更が必要です。
  3. 飛散塗料を減少させる事が必要です。これは被塗装物に塗料を効率良く塗装する塗装機、及び塗装方法となります。被塗装物形状にも影響しますが、塗装機では非静電ガンから静電ガンに変更する事で塗着効率をUPさせます。また、塗装方法では単純な上下動のレシプロケータからロボットに変更し飛散塗料を減少させる事ができます。塗装技術的には吐出量を少なくし塗装時の塗料吐出速度を遅く時間をかけ塗装すれば効率良く飛散塗料を減少させる事ができます。
  4. 色替えや清掃時の洗浄時間の短縮と使用洗浄溶剤の低減が必要です。塗装後は必ず洗浄が必要となります。この洗浄に時間がかかると溶剤使用量が多くなりVOCの排出量が増えます。洗浄時間を短縮するには塗料回路の変更や短時間洗浄可能な塗装機に変更することが必要となります。

(回答会社: 旭サナック株式会社)

Q8.
VOC排出規制において、排風能力が1時間当たり 100,000m3以上という基準値があると聞きましたが、どの程度の塗装ブースに相当するのでしょうか?
A8.

潜在的年間VOC排出量は50tonが目安になっており、工場塗装でこの目安に該当するのは吹き付け塗装施設だけであろうと判断されました。この排出基準に該当する設備は排出濃度を400ppmCまで低減する必要があります。

ご質問はこの基準値に該当するのはどの程度のブースかとのことなので、一般的な吹き付けブースで考えてみたいと思います。排風能力が一時間当たり100,000立方メートルのファンを一分間当たりに換算すると1,666m3の排風能力を持ったファンと置き換えられます。制御風速を0.6m/secとし、このファンを利用して高さを3mのブースを作るとどのくらいの間口のブースになるか計算してみたいと思います。

一般の局所排気装置の場合

ブースの俳風機能力は下記の計算式で求めます。

ブース開口面積(m2)(高さ×間口)×制御風速(m/min)×60sec=排風量(m3/min)

この式に前述の数値を当てはめ、ブース間口を算出すると15.4mになります。従いまして高さ3mのブースの場合、間口15.4m以上のブースが規制対象になります。

このファンを利用して自動車板金塗装用ブース(一様流式局所排気装置)を製作するとどの程度の大きさになるか計算してみます。

一様流式局所排気装置の排風量は下記の計算式で求めます。

ブース床面積(m2)×制御風速(m/min)×60sec=排風量(m3/min)

制御風速を0.2m/secとし、1,666m3/minの排風能力を持ったファンを利用するとブース床面積は約140m2になり、自動車板金ブース4台分に相当します(注: このブース4台を別々にお使いになれば規制対象外ですが、直列に並べてお使いの場合は規制対象になります)。

いずれの局所排気装置でも相当大きな吹き付け塗装施設でないと規制対象にならないと思っていただいて良いと思います。

(回答会社: パーカーエンジニアリング株式会社)

Q9.
粉体塗装の場合、VOC排出規制には全くかからないのでしょうか?
A9.

粉体塗料に限定して塗装作業をしている塗装ブースでは、VOC排出規制は適用されません。但し、水性塗料や溶剤塗料も併用して使用する場合、決められている大きさを越える塗装ブースでは、VOC濃度測定などが必要となります。

以上の内容は、法令より述べておりますので、所在地の各都道府県条例により、異なる場合があります。詳しくは、各都道府県に問い合わせ確認することをお奨めします。

(回答会社: アネスト岩田株式会社)

水性設備

Q10.
水溶性塗料を使用する設備は防爆構造にする必要は無くなりますか? また、塗料の保管場所は危険物倉庫でなくても良いですか?
A10.

一般的に市場に出ております水溶性塗料中には、ある程度の溶剤が含有している場合が多いです。従って、水溶性塗料といえども、危険物倉庫保管、防爆構造設備の使用をお奨め致します。

但し、個々の塗料により、その内容は異なってきますので、各々の塗料メーカーに内容を確認して頂く様にしてください。又、所轄の消防署等に確認される事をお奨め致します。

参考に水溶性塗料の分類とその内容について記します。

参考: 水溶性塗料の分類と対処方法

危険物分類 保管場所 防爆構造
第4類(第2石等)
(非水溶性)/(水溶性)
危険物倉庫(指定数量以内) 防爆設備必要
指定可燃物 危険物倉庫あるいは一般倉庫(指定数量以内) 防爆設備必要
非危険物 一般倉庫(危険物倉庫への保管不可) 防爆設備不要

* 指定数量は、危険物区分により数量が異なってきます。

* 上記区分中、第4類、及び指定可燃物には、一般工業塗装分野で使用される水溶性塗料が該当するケースが多い。又、非危険物には、現地塗装(刷毛塗り等)用に使用されるエマルジョン塗料が該当するケースが多い。

(回答会社: 大日本塗料株式会社)

Q11.
塗料を溶剤系から水性塗料に変えたいのですが、塗装機器はそのまま使えますか? 変更が必要な場合は、その注意点を教えてください。
A11.
  1. 基本的にはそのまま使用することは可能です。但し、各塗装機器メーカーでは、対サビ性等を考慮した水性塗料用塗装機を製作している場合があります。ご使用中の塗装機メーカーに問い合わせ、そのまま使用する/部品を組み替えて使用する/新規購入する、をご検討ください。
  2. ご使用頂いている塗装機が静電塗装機の場合は注意が必要です。静電塗装機で水性塗料を使用する場合、溶剤塗装システムのままでは使用できない場合がほとんどです。現行塗装機をそのまま使用する場合には、塗料供給系の改造(絶縁)が必要となります。また、塗料供給系をそのままで使用する場合には、塗装機の変更が必要になります。いずれの場合も、現在使用している塗装機メーカーに問い合わせて、最適な方法で改造を行ってください。

(回答会社: ランズバーグ・インダストリー株式会社)

Q12.
塗料を溶剤型から水性に変更しようと考えています。乾燥炉はそのまま使用できますか?
A12.

一般的に多少の改造、調整等が必要になります。主なチェックポイントは:

  1. セッティング時間、焼付時間の確認
    溶剤型と全く同じ場合は問題ありませんが、水性の場合セッティング時間が5分から7~10分ぐらい、乾燥時間も5分ぐらい延びるのが普通です。この場合、既設に余裕が無い場合は、延長する工事が必要になります。塗料メーカーとよく相談してください。
  2. 予熱の必要性
    水性の場合溶剤の蒸発に代わり水の蒸発になるため、蒸発潜熱が5倍以上になり、常温の蒸発では時間(スペース)が必要になるため、同じ時間で蒸発させるために、50~80℃に加温させる場合があります。
  3. 排気量の調整
    溶剤型の場合は、蒸発した溶剤が爆発限界に達しないように排気させる必要がありましたが、水性の場合は、爆発の心配はありませんが、水分が多くなると、出入り口で結露する場合があります。適度な排気量は必要です。
  4. 材質の確認
    乾燥炉の内板、ダクト材質は、溶剤型の場合は鉄材中心の亜鉛めっきなどで問題はありませんでしたが、水性の場合、長期間での腐食は溶剤型に比べて注意が要ります。高度な外観を要求する塗装などの場合、ステンレスの検討も必要になります。
  5. 炉内の清掃
    塗料を変更する場合、乾燥炉に付着していた既設の塗料が、剥離することがあります。塗料メーカーに相談することが必要です。

(回答者: CEMA専務理事 平野 克己)

粉体設備

Q13.
塗装設備を溶剤から粉体への切り替えを検討しています。粉体塗装で出る廃粉はどのような産廃になるのでしょうか? また費用はどの程度になるのでしょうか?
A13.

廃粉処理は産業廃棄物の廃プラスチックの分類で処理されます。産廃の引取り形状はフレコン、又はダンボール形状が一般的です。剥き出しは引き取り出来ません。引取り量は最低15~16kgからで、処理価格は引取りで100/円kg程度、持込で40円/kg程度となります。

(回答会社: ノードソン株式会社)

単位

Q14.
地球温暖化に関して、炭酸ガス排出量(CO2)と炭素排出量(C)の違いを教えてください。
A14.

両方ともCO2排出規制に使われます。炭酸ガス排出量は文字通り炭酸ガス(CO2)の量で分子量44として重量単位(kg、トン)で示されます。一方、炭酸ガス排出の元になる化石燃料などの負荷を表すのには、成分の中の炭素(C)の量が使われてきました。両者の換算する場合「炭素換算」として炭素×(44/12)=炭酸ガスの式が使われます。京都議定書が批准され、炭酸ガス(CO2)排出量の方が、よく使われるようになりました。

(回答者: CEMA専務理事 平野 克己)

Q15.
VOCの排出濃度規制のppmとppmCとの違いを教えてください。
A15.

従来、濃度を表す単位としてppm(百万分の一)が一般的に使用されます。

例:毎分500gの溶剤(キシレン)を排気ファン200m3/分で排気した場合の濃度は?

排気中の濃度(ppm) = (500/106)×22.4/1000/200 = 0.000528 = 528ppm

ここでキシレンの分子量: 106。

今回、大気汚染防止法ではVOCの種類が数百あり、物質ごとに特定することが困難であるため、VOCのうちの炭素量に換算した濃度を単位として、基準値や測定方法の決定に際し明確にしています。

上記例をppmCで表すと、

排気中の濃度(ppmC) = 528×8 = 4224ppmC

ここでキシレン一分子当りの炭素の数はC8H10より8。

今回改正される大気汚染防止法はppmC単位となります。

(回答者: CEMA専務理事 平野 克己)

Q16.
公害規制でのppmとmg/m3の違いを教えてください。
A16.

公害の有害物質として水質と大気に分けられますが、水質の場合は水1L中の有害物質の重量mgとして、mg/Lの単位が一般的で、大気の場合は空気1m3(一立方メートル)の中に含まれる有害物質の量を容量で表すか、重量で表すかにより、ppmとmg/m3に分かれます。有害物質が明らかに気体と見做せるVOC、NOxなどはppmで、ディーゼルで問題のSPM、鉛など粒子状、固形状の場合はmg/m3で表します。

(回答者: CEMA専務理事 平野 克己)