素地調整(前処理)

Q1.
代表的な方法を教えてください。
A1.

木工以外の塗装でも同じでありますが、素地調整(前処理)が塗装の基本であります。したがって、その重要性を考慮して丁寧に行ってください。

被塗物である木材は、鋸や自動かんなで加工され、仕上げかんなやサンダーで仕上げられているので、材面にかんなまくらや刃物傷、逆目などの欠陥が残っている。さらに運搬などで手垢、擦り傷がつく。また、部材の組み立て作業中の接着剤がしみ出ていることもある。

これらの傷や汚れを取り除くことと木材に元から付いている色むらを除去することが素地調整である。

まず、水、または湯でスポンジを使って濡らすと目視で分からない欠陥も発見できる。この際、窪みの欠陥は濡らした布をその部分に当て、アイロンを当てると復元できる。

素地研磨は、#240~320の研磨紙で木目と平行に行う。このときポータブルサンダーを使用する場合には、前後運動方式のものが適している。

漂白は、素地研磨で取れなかった汚れや、材の変色した部分を除去する場合に行う。漂白するには薄めた漂白剤を2回以上塗った方がむらなく漂白できる。

その後、水で拭取り乾燥させる。

(回答会社: 旭サナック株式会社)

Q2.
樹種によって処理方法が変りますか?
A2.

樹脂分が多いローズウッド、マツはシンナーを材面に塗布してから研磨すると研磨紙にこびりつきません。

また、木理に合った研磨紙の粒度を選択してください(次表参照)。さらに比較的明るく仕上げるには、#180の研磨紙を、バーズアイメープルのような杢は粒度の細かい研磨紙が良くなります。

表 研磨面の材面模様の鮮明度
  ブナ マカンバ ケヤキ ミズナラ ヤチダモ
材面粒度 材面模様 放射組織 導管 材面模様 放射組織 導管 材面模様 放射組織 導管 材面模様 放射組織 導管 材面模様 放射組織 導管
#40 × × × × × × × × × × × × × × ×
#100 × × × × × × × × × ×
#180 ×
#240
#320
○: 鮮明である、△: やや鮮明である、×: 不鮮明である

(回答会社: 旭サナック株式会社)

塗装

Q3.
各種の塗装仕上げがあるでしょうが、その代表的な方法について教えてください。
A3.

「塗装仕上げ」は次の様に分類されています。

  • 塗膜の形成状態による
    • 塗料浸透仕上げ
    • オープンボア仕上げ
    • セミオープンボア仕上げ
    • 鏡面仕上げ
  • 木理の明瞭度による
    • 透明仕上げ
    • 半透明仕上げ
    • 不透明仕上げ
  • 着色の有無による
    • 生地色仕上げ
    • 白木仕上げ
    • 着色仕上げ
      • 素地着色仕上げ
      • 目止め着色仕上げ
      • 塗膜着色仕上げ
      • 変わり塗り仕上げ
  • 上塗塗料の光沢による
    • 艶消し仕上げ
    • 艶出し仕上げ
  • 上塗塗料の種類による
    • ラッカー仕上げ
    • アルキド仕上げ
    • ウレタン仕上げ
    • カシュー仕上げ
    • ワックス仕上げ
    • その他の塗料による仕上げ

上記のように、仕上げには各種の種類がありますが、ここでは代表的な二つの仕上げについて簡単に述べます。

<オープンポアー仕上げ>

この仕上げは、塗料や目止剤で導管(目)を完全に埋めずに仕上げる方法である。

この仕上げは工程が簡単で、広葉樹の特長を生かすことができる。仕上げ性能としては撥水、汚れ防止効果はあるが、防湿効果は少ない。ただ導管に汚れが溜まることはある。

主に内装材、家具などに使用される。オープンポアー仕上げの塗装工程(例):

  1. 素地研磨(#240~320の研磨紙)
  2. 素地着色(染料系ステイン)
  3. 下塗(2液型ポリウレタンサンディング)
  4. 塗膜研磨(#400の研磨紙)
  5. 上塗(5分艶ありポリウレタンクリヤー)

<鏡面仕上げ>

素地表面の導管をはじめすべての孔を目止剤や塗料で埋め、平滑で、しかも厚い塗膜を形成する仕上げである。前項の「オープンポアー仕上げ」は素地の質感や材質に重きを置いているが、塗膜を厚く塗ることによって塗膜の肌合いに重きを置いている。

この仕上げは素地のうねりや凹凸が目立つので被塗材を良く選別する必要がある。艶出し鏡面仕上げの塗装工程(例):

  1. 素地研磨(#180~240の研磨紙)
  2. 目止着色(目止剤、ワイピングステイン、塗布後拭取り)
  3. 下塗(ウレタンサンディングシーラー)
  4. 塗膜研磨(#320の研磨紙)
  5. 上塗(ノンワックス不飽和ポリエステル樹脂塗料)
  6. 塗膜研磨(#400の研磨紙)
  7. 塗膜研磨(#600の研磨紙)
  8. 磨き(回転バフ)
  9. 仕上げ塗り(高光沢UV硬化塗料)

(回答会社: 旭サナック株式会社)

Q4.
木工塗装には独特のクレームが発生します。代表的クレームとその対策について教えてください。
A4.

塗膜欠陥には、塗装時に発生するもの、乾燥時に発生するもの、長期間経過して発生するものがあります。それらの欠陥は大別しても20項目ほどあり、それらの全部について述べることができませんので、ここではその内代表的な5つについて述べます。

<はじき>

(現象)

塗料が塗膜面に均一に付着しないで塗膜のところどころに大きな凹みや孔ができる。

(原因) (対策)
シリコン系添加剤の入れ過ぎ 適切な添加
雰囲気にシリコン、油が舞っている 環境の改善
マスキングテープの跡が残っている テープ跡の洗浄
研ぎカスが残っている 十分な洗浄、作業者の注意 十分な洗浄、作業者の注意
被塗面にほこり、油、汗、指紋がある
接着剤の付着、にじみ 接着剤の除去、種類の変更
塗装ブース内のグリスの飛散 オイル、グリスの適度の使用
スプレー用空気に水分、油分が混じっている エアクリーナーの完備と点検
下塗塗料にシリコンが含まれている 工程、塗料のチェック
下塗の研磨不足 十分な研磨
異種塗料のスプレーミスト ワンブース、ワン塗料の励行
シンナーの不適、高粘度 塗装ブースの排気の点検、適切なシンナーの使用、適正粘度

<にじみ>

(現象)

下塗りまたは下地の色が上塗りした塗膜ににじみ出して、上塗りの色が変る。

(原因)(対策)については、「塗膜欠陥と対策の手引き」を参照してください。

<艶消不良>

(現象)

塗膜が乾燥後規定の艶消しにならない。

(原因) (対策)
艶消し剤が沈殿 十分に攪拌する
湿度が高すぎる 室内の換気、または加温
微細なほこりが被塗面に付着 塗装場所の環境改善
含水率が高い 適切な含水率に乾燥させる
下塗の膜厚が薄い 下塗を十分に行う
塗料の薄め過ぎか粘度が高い 規定の粘度で塗装する
膜厚が厚すぎる 規定の膜厚
下塗の乾燥不良 十分に乾燥する
シンナーの選定不良 適切なシンナーの使用
スプレーダストの付着 ガンの操作と排気に留意
ドライヤーの添加し過ぎ 適正に配合

<銀目>

(現象)

下塗のシーラーとポリエステル塗膜との境界線が部分的に浮き上がり、その部分が光線の反射によって模様を生じる。

(原因) (対策)
ポリエステル樹脂塗料の部分的な硬化不良 ポリエステル樹脂塗料の混合比を正確に行う、シーラーをチェックする。
被塗物が塗料に比べて低温になっている 被塗物を加温する
被塗物の含水率が高い、ヤニ分が多い 含水率を10%程度まで下げる。ヤニを除去する
シーラーの塗布量が不足、乾燥不良、ヤニ止め効果不良 素材に合った塗布量と回数。塗料の使用法を熟知する。

<割れ>

(現象)

塗膜にさけ目、割れができる

(原因)(対策) については「塗膜欠陥と対策の手引き」を参照してください。

(回答会社: 旭サナック株式会社)

乾燥

Q5.
UV乾燥方法とその構成について教えてください。
A5.

UV乾燥に関する書籍は多く市販されていますので、そちらをご覧ください。

(回答会社: パーカーエンジニアリング株式会社)