日本塗装機械工業会会長 里見 多一
第34回日本塗装機械工業会総会において、第6代会長に就任致しました。本WEBをお借りしてご挨拶申し上げます。昨今の我が国の状況、とりわけこの4年の間に5人もの総理大臣が入れ替わり、昨年は与野党交代劇もありました。当に政治的にも経済的にも我が国の混迷振りを象徴するかの様であります。CEMAに於いては、前小林会長の3期6年に亘る確りとした軸足の下で運営が進められました。特に、顧客目線に立った活動を通し、シンポジウムの毎年開催、各種技術出版物の刊行、そして工業塗装高度化協議会に代表される関係諸団体との連携の強化が成されました。また、CEMAの発表する塗装機器、設備に関る出荷統計の確度を高める為に、脱会会員の復帰や新会員勧誘を積極的に推進致しました。その結果、統計データの精度向上が図られ、また、会運営の根幹をなす会費収入の安定化も果たされました。本誌を借りて、多大なるご功績に敬意と謝意を表したいと思います。
来年度はCEMA設立35周年を迎えます。また今年は新中期活動計画の最終年度であり、同時に新たな中期活動計画を起案すべき年にあたります。本年度の活動方針は既に総会の場に於いてご承認を戴いております。(本WEBご参照)それを推進するに当たり、以下の所信を明らかにしたいと存じます。
トロイカとはロシア語で三を意味します。その語源から三頭立て馬車を称するようになりました。CEMAの活動は会長、副会長(三名)そして専務理事が強力なトロイカを組み、推進して行きたいと考えます。
CEMA設立の目的は、1. 塗装機械、塗装設備の普及と向上、2. 塗装業界の健全な発展に寄与する処にあります。煎じ詰めれば、ドラッカーが標榜した「事業とは顧客創造」に行き着きます。前会長の進めた顧客目線に立った活動も然りです。これからもお客様に役立つ活動に心掛けたいと思います。
日本企業に元気さが見られないと云われて久しく経ちます。日本市場のガラパゴス化と言う言葉も聞かれます。世界レベルに肩を並べる技術を以ってしても、世界標準として受け容れられないのは何故なのでしょう。コモディティー化した塗装機器類は、価格競争力だけでは新興諸国に勝てない事は明らかであります。幸いCEMAには国内主要メーカーのみならず、世界に名立たる外資系会社も会員として名を連ねています。環境対応、省エネ、省資源型塗装技術確立に向けて、世界に発信する対応もこれから論じて行かなければならないでしょう。
世界経済の混迷、特に我が国や先進諸国、地域での需要停滞が進む中、我々業界の発展は、国内市場動向は云うに及ばず、どうしてもBRICsに代表される新興諸国に目を向けざるを得ません。今、グローバル化した環境問題では、隣国が源と言われる黄砂と共に運ばれる化学物質が問題となっています。また、塗料溶剤から発生するVOCも多いと言われています。これからのCEMAの活動は、国内関連業界団体、学協会と更に親密な関係構築を推進すると同時に、海外関連団体との連携も視野に入れたものにしなくてはならないでしょう。特に同じアジアに位置する中国やインド、そしてアセアン諸国と積極的な交流を図る中、今、塗装機器や設備に何が求められているのか、原点に立ち戻って考えて見る時期に在ると思っております。皆様からCEMAに対する忌憚ないご意見、ご要望を賜れば幸いです。